プロとアマチュアデザイナーの作品には、いくつかの違いがあります。まずウェブデザインの分野においてですが、アマチュアの方々は趣味の一環でホームページ制作をします。そのため、自分の個性やセンスを前面に押す出す事が可能です。閲覧者の事よりも制作者の好みが色濃く反映され、またコンテンツも当然ですが、趣味の一環で制作されているため、制作者の好きな内容が選別されます。マニア向けの情報が網羅されたり、制作者の奇抜なセンスや個性的なイラストが光るのも特徴です。 その一方でアマチュアのウェブデザインには、ユーザビリティへの配慮があまり見られません。文字通り制作者の方々が自分の私的な活動の一部として、無償で行っている事がほとんどです。閲覧者への配慮よりも、自分の知識を紹介するため、好きなコンテンツを世界中の人々に見てもらいたい等の意図が先行しています。初めてアクセスした方は、どこをクリックすれば、どんなコンテンツが見られるか分からない事が多いです。更に情報の信ぴょう性が低かったり、不確かなデータがそのまま掲載されていたり、鮮度が古いデータが更新されずに放置されている事もしばしばです。 翻ってプロのウェブデザインはユーザビリティとデータの正確性があります。閲覧者がどこをどうすれば、どのような情報が見られるか、感覚的に分かりやすいホームページのレイアウトを考えます。見やすいトップページを制作し、階層ごとにコラムやデータ一覧、リンクや画像集のページを区分し、閲覧者が使いやすいインターフェイスに仕上げるのです。掲載するデータも鮮度を意識し、最新の物を掲載し、その信ぴょう性にもプロはこだわります。 グラフィックデザインの世界も基本は同じです。アマチュアの美大生やアマチュアの方々が制作するポスターやロゴマークは、どちらかというと作者の趣味や好み、奇抜な発想が色濃く反映されており、公共の場に適さない事もあります。更に直感的に何を表すシンボルか分からない事もしばしばです。 翻ってプロのグラフィックデザインは直感的に見る人々に、そのポスターやロゴマークの意図を伝えます。配色のセンスやレイアウトのセンスが優れており、様々な掲示物がある都会の中心でもプロがデザインしたグラフィックデザインは、道を歩く不特定多数の群衆の関心を引き寄せます。記憶に残りやすい工夫を凝らすのもプロのグラフィックデザインの特徴です。あえてバランスを崩したり、斬新なキャッチコピーやインパクト重視の意匠を施すなど、プロだからこそ出来る絶妙な型破りな表現があるのです。