グラフィックデザイナーはデザイン基本の4大原則の活用法を知っています。近年ではインターネットの普及からウェブサイトを作る上でのウェブデザインもグラフィックデザイナーとしての仕事として増えてきています。いずれにせよデザインを学ぶ上でこの基本の4大原則の活用法はとても大事なポイントになり、初心者でもこれを上手に扱うだけで、見違えるほどの完成度に到達します。4大原則は「近接」「整列」「強弱」「反復」のことで、レイアウトだけでなく思考のプロセスを説明する時も役立ちます。

「近接」とは位置が近い物を関係があると認識することを利用したもので、余白を駆使して情報を見やすくします。例えば商品の写真やイラストの下に商品名を記載する時、広めに余白をとって商品ごとの余白と同じ広さにすると商品名がどれを指すのか分かりにくくなります。そこで関連しない商品ごとの余白よりも間隔を狭くして、写真やイラストと名前を関連付けさせます。
「整列」は要素に一貫性を持たせることで、右揃えや左揃えが代表的です。従来の名刺は中央揃えが主流でしたが、中央線は直感的に認識しにくい傾向にあります。右や左にまっすぐとした基準となる線を引き、文字や記号が揃うようにしましょう。基準線は決して目に見えませんが、感覚的に伝わり情報の整理整頓が行われます。全ての文字を右揃えや左揃えにするよりも、近接のスキルを使って余白を上手に活用すればさらに見やすいです。
「強弱」では優先する情報を目立つようにして、それ以外の主張を制限します。大きな見出しに小さな文章も強弱を活用した例で、見た人が最初に目を留める場所に視線を誘導させます。あまり上手くないと視線が定まらないため、大きくするところはトコトン大きくし小さくするところは小さくするという大胆さがポイントです。近接や整列は情報をまとめることに重きを置いていますが、強弱は反対にいかに差別化できるかが試されます。与えられた情報の中から何が一番重要かを読み解くことが必要となります。
「反復」は特徴的な要素を繰り返して使うことで、色や線などがそれにあたります。1つのデザインの中で繰り返し使われると視覚的に一貫性がもたらされ、面白いリズムが加わります。見ている方が楽しくなり、文章でも同じ言葉が繰り返されているとスムーズに読み進められます。
1つの原則だけ活用しても、面白みのないデザインになってしまいます。情報に見入ったり興味を持ったりするには、これらを組み合わせて単調になるのを防ぐことが大切です。実際の活用法は自分でデザインを行っていくうちに覚えることができ、何が足りないか考える時には4大原則を照らし合わせてみると良いでしょう。