グラフィックデザイナーは実力がものをいう世界であるため、力のある人は独立してフリーランスを目指すことで収入アップにつながるケースも多くあります。また、結婚や子育てなど、ライフステージの変化に応じて自分のペースで働くためにフリーランスを選択する人もいます。それでも、グラフィックデザイナーとして独立し、成功するには難しさも伴うので、自分の向き不向きをじっくり考え、判断することが大切です。

独立した場合は、雑務などを含めて作品の制作に関連したことすべてを一人でこなすことが求められます。会社に所属していた時には、仕事を取ってくるのは営業で、雑務はアシスタントに任せ、利益が出るかどうかの判断は経営陣や管理部門が担っていたことでしょう。会社に所属していても独立したとしても、依頼先からくる仕事の内容やそれに伴う雑務、経営判断は必要となるため、それらの仕事を一人で行うことは無理だと考える人には独立は難しいといわざるを得ません。また、独立すると業務量を自分でコントロールしなければなりません。
努力次第で収入が上がる職種ですが、技術があっても納期を守るなどのビジネスマナーがない人は信頼性がないと判断されてしまいます。会社に勤めている場合、業務量は上司などが調整してくれるケースがほとんどですが、独立すると自分でスケジュール調整をする必要があり、クライアントに迷惑をかけないよう納期厳守としなければなりません。さらに、フリーランスで働く場合には、人脈が大切になります。グラフィックデザイナーが案件を得る方法は、最近ではフリーランス向けの求人サイトやクラウドソーシングなどもありますが、信頼して仕事を任せることができる人材に依頼したいので、人からの紹介に頼るケースが多いようです。
そのため、会社を辞める前に培ってきた実績とともに、会社を円満に退社することもカギとなります。加えて、独立してグラフィックデザイナーを続けていくためには、スキルアップのための情報収集や学びを主体的に進めなければなりません。デザインの世界のトレンドはめまぐるしく変化しており、業務で使用するツールも進化しています。会社にいれば自然と習得できることも、独立すると入ってくる情報に偏りが出ることもあるため、スキルアップをどん欲に求める姿勢やトレンドに対する嗅覚も独立に必要な要素といえます。それで、独立のターニングポイントは、賞を受賞するなど有名になった場合や、大きなプロジェクトを任されるようになったり、クライアントから独立の誘いがあった場合が多いようです。